機械要素 – 直進体の場合の慣性モーメント

機械設計

モータと直結の場合

上図のような直進体(ベルトコンベヤやラック&ピニオン)の慣性モーメント\( J \) を、モータ軸の慣性モーメント\( J_M \)に換算することを考えてみます。

 直進体の速度\( v\ [m/s] \) が与えられている場合

運動エネルギ保存の法則より、以下が成り立ちます。

\[ \frac{1}{2}mv^2 = \frac{1}{2}J_M{\omega_M}^2 \]
ただし、\( m\ [kg] \)は直進体の質量で、\( \omega_M\ [rad/s] \)はモータの角速度です。従って、モータ軸の慣性モーメント\( J_M \)は以下のようになります。
\[ J_M = m {\left( \frac{v}{\omega_M} \right)}^2 \]

ベルトコンベヤの角速度\(\omega \ [rad/s] \) が与えられている場合

直進体の速度\( v\ [m/s] \)は、プーリ(回転体)の半径を\( R\ [m] \)とすると、\( v = R\omega\ [m/s] \) であるので、上述の式に代入すると、以下の式を得ます。

\[ J_M = m {\left( \frac{R\omega}{\omega_M} \right)}^2 \]
ここで、ベルトコンベヤはモータと直結されているので、\( \omega / \omega_M =1 \)となり、
\[ J_M = mR^2 \]
と非常に簡単な式となります。

歯車などで減速されている場合

この場合は2段に分けて考えます。どちらの場合も、運動エネルギ保存の法則を使うだけですので簡単です。

まず減速前後で考えます。減速後のプーリー等の角速度を\( \omega\ [rad/s] \)とすると、次式が成り立ちます。

\[ \frac{1}{2}J{\omega}^2 = \frac{1}{2}J_M{\omega_M}^2 \]
従って、モータ軸の慣性モーメント\( J_M \)は、
\[ J_M = J {\left( \frac{\omega}{\omega_M} \right)}^2 \]
となり、もし直進体の速度\( v\ [m/s] \)と質量\( m\ [kg] \)がわかっている場合は、これも運動エネルギ保存の法則より、次式が成り立ちます。
\[ \frac{1}{2}mv^2 = \frac{1}{2}J{\omega}^2 \]
よって、ここで求めた\( J \)を上式に代入すれば、次式を得ます。
\[ J_M = m {\left( \frac{v}{\omega} \right)}^2 {\left( \frac{\omega}{\omega_M} \right)}^2 \]
ここで、歯車における減速の記事で紹介した減速比\( i \)を用いると、次式となります。
\[ J_M = m {\left( \frac{v}{\omega} \right)}^2 i^2 \]

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