機械要素 – 平ベルト伝動

PE試験

平ベルト伝動とは

帯状のベルトを軸間にかけて動力を伝達する方法で、離れた2軸間で動力を伝達する場合に便利な方法です。効率は96~98%と高く、また減速比も比較的高く 1:15 程度まで取れます。ただし、伝動が摩擦駆動であるため、多少のすべりは避けられません。[1]

平ベルトの力の関係 – Eulerの理論

オイラー(Euler)の公式を利用して、平ベルトの張力を求める問題は、PE試験では必ず出題されると考えてよいです。模擬問題集にもこの問題が出題されています。

詳しい式の導出は、参考文献[1]に譲ります。あるいは、ネットで「ベルト伝動」という単語で検索すれば、参考になる資料が見つかると思います。

ベルト伝動の問題を解くにあたって、どちらが張り側の張力で、もう一方がゆるみ側の張力になるのかの見極めが大事です。この張力を間違ってしまうと、すべての計算が無意味になってしまいます。

覚えておくべき公式は、以下の通りです。

\[ T_t = T_s e^{\mu \theta} \] ここで、\(\mu \) はベルトープーリ間の最大摩擦係数で、\(\theta \) は接触角です。

上記の公式は、次のように理解可能です。

まず、文字通り張り側張力\(T_t \) の方が、ゆるみ側張力\(T_s \)よりも大きいということと、\(\mu \)、 \(\theta \) > 0より(摩擦係数と接触角が負になることはあり得ない)、\( e^{\mu \theta} \)  >1 という事実から、上記公式が成り立つことがわかります。

さらに、以下のイメージを理解できると、どのような問題にも対処できます。

ベルトを駆動プーリに巻きつけていく方が張り側張力\(T_t \)で、逆にベルトが駆動プーリから離れていく方がゆるみ側張力\(T_s \)となります。
これは、一度ベルト伝動を観察すれば理解できると思います。そして、
ベルトを回転させる力は、 \[ T_e = T_t – T_s \] となり、これを有効張力といいます。

平ベルトを利用したコンベヤで物を運ぶ場合

さて、最後に平ベルトを利用したコンベヤで物を運ぶ場合を考えてみましょう。

記号は先ほど説明した通りです。\(\mu mg \)は摩擦力で、作用・反作用の法則より、ベルトにも\(\mu mg \)の摩擦力が働いています。

上図より、有効張力\(T_e \)が摩擦力\(\mu mg \)より大きい場合にのみ、適切なベルト伝動が行われることがわかります。言い換えれば、ベルトを回す力\(T_e \)が、摩擦力\(\mu mg \)より大きくないと、ベルトが回らないと理解できます。

 



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